▲手紙索引■9月の手紙 1■9月の手紙 2■9月の手紙 3■9月の手紙 4■9月の手紙 5■9月の手紙 6▼最新の手紙
近況
近況です。
マンガ家の飯島祐輔さんから冊子小包が来ました。はて? お名前は存じ上げていますが、面識はない方です。
何だろうと開けてみると、『新旭日の艦隊』のコミックス第10巻が。飯島さんが描かれているものですが、まだ分からん。
手にとってみると、「ギャグのネタに使ってしまいました」の一文と自画像が書かれた紙片がヒラリ。
なるほど。読んでみますと、P118とP136に確かに……。アレだな。「関空」ということはアレもありますな。具体的には実物でチェックすることをお薦めします(笑)。
後半のくのいち寿美&メガネっ娘亜由美の活躍はナイス。こういう大胆な脚色(?)は大歓迎です。じつに良いものをいただきました。ふっふっふ。
次回は、またアノ方のイラストを御紹介する予定です。お楽しみに。
(2001.9.27記す)
2001.9.28 ◇to page top
ドラゴンマガジンとの縁
増刊号(ファンタジア・バトルロイヤル)とはいえ、久しぶりに「月刊ドラゴンマガジン」に作品を発表しました(「エンジェル・リンクス」の連載をやっていたのは98年のこと)。
じつは「エンジェル」以前に、「ドラゴンマガジン」(以下DM)とは袖振り合う程度の縁がありまして、今回はその辺を少し書いてみます。
「DM」の創刊は1988年ですが、当時私が勤めていた編集プロダクションがその立ち上げ時にいろいろと関わりをもっていたのです。
その1。表紙の撮影。創刊から約1年間、「DM」は表紙にアイドル写真を使っていた時代がありました。アレです(発案は編集部の人のはずですが)。
その2。同僚の見田竜介君が「ドラゴン・ハーフ」の連載を開始。その後、彼はすぐフリーに。
その3。同僚のK君を編集部に派遣。そのK君の発案で、なんと堀晃氏のエッセイの連載があった! 「DM」に堀晃。いまでは考えられない組み合わせですねぇ(たしか5回か6回で終了したと思いますが)。
じつはK君に、堀晃氏の存在を教えたのはこの私。間接的ながら仕掛け人だったといえます(思えば徳間書店に『第七の空母』を薦めたり、いろいろやっとるなぁ)。
K君には中井英夫も薦めてハマらせたりしているのですが(ハードSFと幻想文学。いい組み合わせだ!)、13年後の現在、その中井英夫とかつて一緒に仕事をしたというT氏が編集長の富士見ミステリー文庫に私も書いたのだから、まさに因果はめぐっているといえましょう。
さて――前回、PRがどっかいってしまったので、今回はやっておこう。
「新変格探偵の冒険と暴投」が掲載された「ドラゴンマガジン増刊号/ファンタジア・バトルロイヤル」(富士見書房・税込み千円)が発売中です。妙な話、キテいる話が好きな人はぜひお買い求めください。
(2001.9.18記す)
2001.9.25 ◇to page top
ファンタジア・バトルロイヤル
現在発売中の「ドラゴンマガジン増刊号/ファンタジア・バトルロイヤル」に、「新変格探偵の冒険と暴投」という短篇が掲載されています。
(広義の)ミステリーは二作目ですが、前作「黄金の血脈」とはまた全然別の路線の作品です(相変わらずイバラの道を歩んどるなぁ、わし)。
アバンタイトルの紹介ページからして「推理作家協会除名覚悟! てゆーか最初から入っておらんわ」という挑発的(?)なコピー。
これは、最初見たT編集長は「うーん」と腕を組んで唸ったものの、担当(た)さんの「いーんじゃありませんか」の軽い一言で通ったという代物。
元ネタは東野圭吾氏の『超・殺人事件』にあった帯の「推理作家協会除名覚悟!」です。それを見て「この程度のことで東野氏が協会を除名されるわけないじゃん」と思ったのがそもそものきっかけ。
しかし、作家による組織というのはいろいろとありますが、私はあまり縁がありませんなぁ。デビュー後にでかいところ(SF作家クラブではない)から誘いがあったけど結局入らなかったし……。例外は、気がついたら会員ということになっていた宇宙作家クラブか。幽霊だけど。
おおっ、巨乳作家クラブがあった(笑)。じつはここで秘密裡に進めている企画がひとつありますが(来年公開予定)、皆さん、他に何かやって欲しいリクエストはありますか?
いかん、増刊のPRをするはずが脱線した。
(註・イバラの道は、「猫丸の国」にある伊吹秀明インタビューを参照)
(2001.9.18記す)
2001.9.21 ◇to page top
同時多発テロから一週間
ショッキングな映像がテレビから流れて一週間が経過しました。思ったことを幾つか書き記しておきます。
○「米国内に手を出して、無事で済んだ国はない」と、米テレビのコメンテーターは述べていました。これは昔の日本のことですね。比喩として盛んに「真珠湾奇襲」がいわれているようですし。
「冷静になれ」「第三次世界大戦はご免だ」というプラカードも見られるようですが、米世論は概ね軍事力による報復に傾いているようです。
BSで米テレビの報道を見ていましたが、「自由と正義のために悪を討て」「アメリカの誇りのために立ち上がれ」という扇動メッセージはあまりにも露骨で、恐ろしいものを感じました。
まあ、アメリカ人の悲しみと怒りは本物ですし、何もしなければブッシュ政権がおしまいなのは確かなので、やはり武力行使に出ることになるでしょう。
○テレビではほとんど触れられていませんが(新聞でもほんの少しだけ)、タリバンと戦っていたアフガニスタン北部同盟のマスード将軍が死亡しました。テロの二日前、ジャーナリストを名乗るアラブ人によって爆殺されたそうです。
同将軍は、侵攻してきたソ連軍を翻弄し、「バンジシール渓谷の獅子」と称された名将です(邦訳された伝記もあります)。
対ソ戦後は、少数・寄り合い所帯の北部同盟を率いてタリバンと戦っていました。西洋的価値観に近い穏健派のマスードを支援していれば、という声がいまさらのようにフランスなどから上がっているようです。
たまたま伝記を読み、マスードに関心を抱いていた私にとっては、今回のテロとも無縁ではない話題です(といいますか、やはり一連の事件は偶然とは思えない)。
○もう10年ほど前になりますが、カナダ人女性が日本に来たときの印象をラジオで喋っていました。街並み(店の看板、広告、ファッション、流れている曲)を見て、「どうしてこの国は何でも無批判にアメリカのものを受け入れているんだろう。アメリカ人ほど傲慢でイヤな連中はいないのに……」
アメリカのお隣の国の女性の感想。何故か、よく覚えています。
太平洋という巨大なクッションがあるためか、我われは日常的な皮膚レベルでは彼らの傲慢さを感じなくて済んでいるらしい(米軍基地周辺の人は例外ですが)。
今年のサミットでは、反アメリカ(反グローバリズムといいますが、実質的には反アメリカ)の激しいデモが主にヨーロッパ人たちによって行われました。ましてや貧困にあえぐアジアやアフリカの人たちからみれば、アメリカ資本のやっていることはどう思えるでしょう。アジアやアフリカではイスラム教徒が急増しているそうです。
貧困、異文化、反米意識が短絡的にテロに結びつくとはいっていません。ただ、長い目で見ていけば土壌には成り得るということです。
アメリカ的なものと、それに抵抗していこうとするもの。今回のテロはほんの一例で、形にならないものも含めれば21世紀中、ずっと対立は続いていくと思います。
○というのが、マクロ的な感想。自分の身の回りを考えれば、ただでさえやばい日本経済、さらにやばくなるだろうなぁ、というのが実感です。すでに原油は高騰しているし、紙の値段も上がるでしょう。出版界は大ピンチ。決して他人事ではないのです。
もちろん、誰の身にとっても。
(2001.9.18記す)
2001.9.19 ◇to page top
禁断の魔球
朝日新聞の8月17日の朝刊一面に「フォークボールを投げるとき、肘にかかる衝撃は直球の1.2倍から1.5倍となる」という記事が載っていた(広島大医学部の研究)。
現レッドソックスの野茂とマリナーズの佐々木の活躍は、あらためて説明の必要はないだろう。じつはふたりの好成績の大きな理由のひとつに、彼らが主力武器としているフォークボールを投げる投手がMLBにはほとんどいないというのがある。
もちろん、MLBの選手たちがフォークボール(向こうでいうところのスプリッター)を知らなかったわけではない。それどころか、フォークが肘に負担をかけて投手寿命を短くすることを彼らは経験上知っていたのである。
いわばフォークボールは、投手寿命が削って投げるプチ大リーグボール3号のようなものか。いま思えば、大リーグボールというネーミングも時代を感じさせますな。
(基本的に先発投手を100球程度で交代させるのもMLBの特徴。良い投手は、球界の財産という考えだ。ロジャー・クレメンスやランディ・ジョンソンといった40歳近い豪腕投手がいるのもうなづける。日本ではプロ野球以前に、高校野球の日程をどうにかして欲しい。甲子園での連投で、これまで何人、何十人の有望な選手が故障でつぶされたことだろう。かつてロッテでプレイし、フォークボールを武器に投げ続けた村田兆治のような鉄人もいるが、ああいった人はあくまで例外)
さて、大リーグボールが出たところで、漫画の星飛雄馬について触れてみよう。
確かに3号はバットをよける魔球で威力抜群(長打は打てない)だが、フォークボール以上に腕に負担をかける。
しかし、星は1号(バットに当てて凡打にする魔球)、2号(消える魔球)、それに速球があれば充分に通用したのではないか(投球フォームを統一する必要はあるが)。
ふつうの変化球だって原理がわかっていても有効なのだ。いきなりボールが消えるのは、チェンジアップ以上の効果がある。ストレートとフォークしかない(最近カーブを身につけたがあくまで副兵装)佐々木たちがあれほどやっていけるのだから、星も大丈夫ではなかろうか。
問題は精神面か。スポ根漫画の主人公のくせに、星飛雄馬はけっこうモロいからなぁ。決め球をホームランされたからって、勝手にマウンドを降りてしまうヤツだし……。
ま、新聞を見てあれこれ考えてみた次第。
(2001.8.17記す)
2001.9.18 ◇to page top
近況です
某日。「非行戦艦」もとい「飛行戦艦」の某A山先生から電話。3歳半になった娘の自慢話を聞かされる(非行戦艦というのもいいですな。次作にいかがですか?)。
五倍速で育てて早く女子高生にするように、そしてできれば巨乳メガネっ娘にするようにとリクエストしておく。
「メガネっ娘は好きだが、宇宙飛行しにしたいんだよ〜」
メガネっ娘にするか、宇宙飛行士にするか。贅沢な悩みである。とりあえずMIT入学を目標にするとぬかしているが。やれやれ……。
翌日。資料探しのため神保町へ。ついでに人と会う。部屋にこもって何日も原稿を書いていると人恋しくなるのである。
共栄堂でエビのカレーを消化酵素剤と一緒に食していると、約束の時間にNさんがやってくる。テーブルの上に「猫耳戦車隊」2冊を置き、サインするようにとのこと。
書泉グランデでは、まだ2冊とも平積みになっているとか。ありがたや。
一緒に持ってきたウェストールの「猫の帰還」にもサインしようとすると、さすがに嫌がっていた(笑)。
「それより、1巻目のここ、なんか紙が変じゃない?」
小口といわれる、本の背以外の部分である。確かに裁断面が粗くなっている。
「一番下の本まで見たのに、全部こうなっているの。返本するほどじゃないけど」
江角マキコ似のNさんが「猫耳戦車隊」の平積み山をパワフルに掘り返している姿を想像すると愉快だ。
ちなみにこのNさん、「私はSFは好きだけど、SFファンは嫌いな人が多いな」という含蓄あるセリフを吐き、私は思わずそれを座右の銘に書きとめた(?)という経緯がある。いずれ作品に活かしてくれようぞ。
資料探しのついでに、何年か前に再刊されたというハリー・ハリスンの「宇宙兵ブルース」を探すが、三省堂と書泉にはなかった。代わりに平田裕香と小向美奈子の写真集を買い、カバンがとても重くなる(近所で買えばよかった)。ちなみに外見はどちらもロリ顔やや巨乳系高校生です。
帰ってから「ヤングアニマル」の増刊号に載っている西川魯介さんの「微熱猫耳少女」を読む。
うーん、やられた。猫耳型のキノコ。じつは私も考えていたのだ。もっともこちらのイメージしていたのは、B・W・オールディスの「地球の長い午後」なのだが……。
さて、9〜10月、このフリートークは少々ペースダウンします。いろいろと仕事が詰まってきましたので。学研、富士見、その他いろいろ。小説以外の仕事も複数件、突入します。徐々に発表していきますので、引き続き御注目ください。ぺこり。
(2001.9.10記す)
2001.9.11 ◇to page top
管理者へのメール
einhorn@excite.co.jp