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追悼 浅倉久志さん
翻訳家の浅倉久志さんが、2月14日(日)、横浜市内の病院にて、心不全で逝去されました。享年79歳。
最近、思うところがあって、SFやミステリの短篇を年代順に読んでいます。
先日読んだばかりのロバート・シェクリィの短篇「ひる」は浅倉さんの訳。あらゆる物質やエネルギーを吸収する宇宙生物との戦いは、恐怖とユーモアが入り混ざっていて、いかにも浅倉さん好みだったかもしれません。
SF界、とくに海外SF関係者にとってはそうでもないかもしれませんが、一般のSFファンにとって浅倉さんは謎の存在だったと思います。
私も、そのお姿を拝見したのは、1992年に横浜で行われた〈宇宙塵〉35周年パーティの1回だけ。
スピーチを指名されたときも、全力で逃げだそうとしていましたものね。
しかし、直接は言葉を交わすこともなかったけど、沢山の英米SFを読むことができたのは浅倉さんのおかげです(カウントはしていませんが、読んだ翻訳作品の中で浅倉久志訳となっているのは間違いなくトップ3以内には入ることでしょう)。
ご冥福をお祈りします。
ビーケーワンで追悼特集が組まれていました。
本の表紙を見ているだけで、いろいろと思いだされます。
http://www.bk1.jp/contents/booklist/1002_asakura
2010.2.17 ◇to page top
飯島祐輔さんのこと
『新海底軍艦 巨鋼のドラゴンフォース』『新旭日の艦隊』『轟拳ヤマト』などの作品で知られる漫画家の飯島祐輔さんが亡くなられた。
一報を聞いたときは、あまりの衝撃に言葉を失った。
でも、きっと一番驚いたのは飯島さん本人だったのではなかろうか。だって2月7日、「今日はこれからワンダーフェスティバルなので、更新は画像だけ。では、ちょっとメッセイテクル。」って日記を書いて出かけて、それっきりだなんて。
悲しい知らせから数日。まだ頭が混乱しているけど、飯島さんとの個人的な思い出を書き残しておこうと思う。
飯島祐輔さんと接点ができたのは、2001年の秋だった。コミック『新旭日の艦隊』10巻が突然送られてきたのだ。
飯島さんの御名前は知っていたが、面識はなかった。「はて? どうして?」とページをめくっていくと、作中に洋上に巨大な構造物が現れ、メガネっ子が「関西空港では?」といい、コマの外側に「※伊吹先生、ごめんなさい」とある。これは拙作『スターパニック』のネタだ。
数十ページ後に今度は『氷山空母を撃沈せよ!』のネタがあって、やはり「伊吹先生、またまたごめんなさい」とある。
ははぁ、これは『けっこう仮面』で他の漫画のパロディをやるとき「○○先生、ごめんなさい」とやるパターンではないか、とピンときた。コミック『新旭日の艦隊』は御存知のように荒巻義雄氏の原作だが、メガネっ子キャラを登場させたり、飯島さんの独自色がかなり盛り込まれている。遊び心もいっぱいだ。
その後、お互いにゲストとしてお呼びのかかったイベントで直接お会いすることになるのだが、飯島さんは私のことをとてもくわしく知っていて、本名で呼びかけてくるではないか。
聞くところによると、私が以前いた会社(同僚がバンダイの「Bクラブ」や徳間書店の「奇想艦隊」を編集していた)で仕事をしたことがあって、そのときに情報を仕入れたとのことだ。
私が東京を離れたので直接話した回数は少ないが、いろいろと波長が合い、mixiでも親しくさせていただいた。
飯島さんが毎日更新する日記は、古今東西のさまざまな映画、アニメ、ゲーム、SF、落語ネタなど、とにかく話題が豊富。そして、ユーモアがあり、温かい(ギャグは自分自身をネタにして、決して人を貶めることはない)。
日記では、やはり拙作の『猫耳戦車隊』や『舞-HiME DISTINY 龍の巫女』もテッド・チャンやロバート・J・ソウヤー作品などと並んでネタにしてくれたのが嬉しく、大いに励みになったものだ。
次回作もまたぜひネタにして欲しかったし、頼まれていた企画もあったのに、もはやそれは叶わない。
でも飯島さんのことだから、きっと天国でも楽しい日記や新作漫画を描いていると思うのだ。
2010.2.12 ◇to page top
最近入手した本やDVDソフト 2010年1月編
ビーケーワンの作家マップ「伊吹秀明」のページ、しばらく変化もなかったのですが、最近になって新たに、五代ゆうさん、志瑞祐さん、渡部狛さんらとつながっていました。
次回作はまたガラリと変わったものを予定していますので、大きく変動することが予想されます。
では、例によって先月分の買い物リストです。
値段は税抜きだったり、税込みだったり、割引き期間中だったり、それぞれです。献呈本も古本屋で買った本も正価表示。DVDの新譜の多くはネットで買っているので、実際はもっと割引されています。表示金額はあくまで目安ということで。
○『軍事の事典』 片岡徹也編 東京堂出版 4500円
○『戦国大名の婚姻戦略』 渡邊大門 角川SSC新書 780円
○『決定版太平洋戦争5 消耗戦』 歴史群像シリーズ 学研 1800円
○『「たかなみ」型護衛艦「むらさめ」型護衛艦』 世界の名艦 イカロス出版 1800円
○『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』上 ジョージ・クライル 真崎義博訳 ハヤカワ文庫NF 743円
○『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』下 々
○『跳躍者の時空』 フリッツ・ライバー 中村融編 河出書房新社 2100円
○『夏への扉』新装版 R・A・ハインライン 福島正実訳 ハヤカワ文庫SF 740円
○『高慢と偏見とゾンビ』 ジェイン・オースティン&セス・グレアム=スミス 安原和見訳 二見書房 952円
○『1000の小説とバックベアード』 佐藤友哉 新潮文庫 438円
○『A=宇宙少女×2魂の速度』 日野一二三 電撃文庫 590円
○『NOVA1』 大森望責任編集 河出文庫 950円
書き下ろし日本SFアンソロジー。
○『セーラー服と重戦車』4巻 野上武志 秋田書店 552円
○『虫と歌』 市川春子 講談社 571円
○『オバケのQ太郎』4巻 藤子・F・不二雄 小学館 1500円
DVD
○『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 デビッド・フィンチャー監督 ワーナー 1500円(期間限定)
○『カンバセーション…盗聴…』 フランシス・F・コッポラ監督 角川 1800円
○『イン・ザ・ネイビー』 デビット・S・ウォード監督 20世紀フォックス 1490円
○『チェンジリング』 クリント・イーストウッド監督 ジェネオン 1800円
○『意志の勝利』 レニ・フェンシュタール監督 是空 4800円
○『原爆下のアメリカ』 アルフレッド・E・グリーン監督 TCメディア 1429円
○『カルティキ 悪魔の人喰い生物』 リカルド・フレーダ監督 TCメディア 1429円
○『空の大怪獣ラドン』 本多猪四郎監督 デアゴスティーニ 1895円
○『ULTRAMAN』 小中和哉監督 バンダイビジュアル 1800円
○『青い花』4巻 カサヰケンイチ監督 メディアファクトリー 5500円
○『古代少女ドグちゃん』ドキドキパック(上) 井口昇監督 キングレコード 9500円
2010.2.3 ◇to page top
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