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「天空魔弾」について幾つか
現在発売中の1巻の帯では(セールスの都合上)「2003年夏」と記されていますが、本文中では2003年とは一箇所も書かれていません。あえて書きませんでした。
第3章第1節には「暑い夏」ということになっていますので、少なくとも冷夏だった今年の夏ではないとは思います(書いていたのは5〜6月なので、まさかこんなに涼しくなるとは思わなかったんですけどね)。
サブタイトルの「60年目の本土防空戦」どおり、きっかり60年後とすると2005年。その前後くらいのつもりで書いています。
9月3日の讀賣新聞朝刊によれば、陸海空の自衛隊の通信、補給、衛生をひとつにまとめた「統合部隊」を新設する構想が進んでいるそうです。実現すれば画期的なことですが、2005年から機能させることはまだ難しいと思います。
143ページの食事のカロリー。いい加減です。あとできちんと食物カロリー表を見つけて計算しようと思って、仮の数字を入れていたやつがそのまま本になってしまいました。このメニューだと、もうちょいカロリーは低いと思われます。
さて……前々回「サボテンとロケット」の回で、そろそろ2巻目も追い込みと書きましたが、まだ終わっておりません(本フリートークはストックしてあるものをまとめて管理人さんに渡すので、時間的にいろいろとズレが生じます)。
あとしばらくお待ち下さい。
ちょっと前の近況その1。今年の夏は騒音にずっと悩まされました。まあ、夏に限らず、ここ数年は階下や隣近所のビルのテナントが頻繁に入れ替わり(これも不景気のせいか)、そのたびに「ガガガガガガガガガガガッ、ズガガガガガガガガガッ、カンカンカンカン、ガガガガガガガガガガガガッ、ガガガガガガガガガガガガッ、ズガガガガガガガガガガガッ!!!!」とうるさい工事の繰り返し。静かな深夜に仕事をすれば、今度は朝8時からこの騒音に叩き起こされる。近くの図書館で仕事しようと思っても、子供たちが占領しているし……。まさに踏んだり蹴ったり。来年、静かなところに引っ越そうと考えています。
その2。形になるかはまだ未定ですが、とある企画の打ち合わせに足を運んでいます。うまく形になって、来春あたりに報告できると良いんですが……。
その前に「天空魔弾」の方を完成させなくては。全2巻の予定です。まだ購入されていない方は、ぜひ棚を探して下さい。大きな書店ならまだあると思います。
2003.9.29 ◇to page top
最近買った本とDVDソフト 2003年8月編
(価格は税抜き)
1「NHKまる得マガジン ミニ・ペットと暮らそう」 日本放送出版協会 700円
ハムスター、ジャービル、モルモット、リス、モモンガ、ウサギ、フェレット、ハリネズミ、チンチラや小鳥類の飼い方マニュアル本。
2「地中生命の驚異」デヴィッド・W・ウォルフ 長野敬、赤松眞紀訳 2400円
3「谷崎潤一郎とオリエンタリズム」西原大輔 中公叢書 2000円
4「江戸川乱歩と少年探偵団」堀江あき子編 河出書房新社らんぷの本 1500円
5「第二次大戦のP−61ブラックウィドウ」ウォーレン・トンプソン 苅田重賀訳 大日本絵画 2000円
6「フォッケウルフFw190その開発と戦歴」ジャン=ベルナール・フラッペ&ジャン=イヴ・ローラン 小野義矩訳 大日本絵画 3900円
ハードカバー540ページ丸ごとフォッケウルフという1冊。これで私もフォッケウルフ博士(いまのところ、これが登場する話の予定はないですけど……)。ちなみに子供のころ、初めてこの戦闘機の名前を聞いたとき、「ホッケウルフ? ゲルショッカーの改造人間か」と思ったものです(でも魚のホッケと狼の合体は無理があるよな、と思っていたら、クラゲウルフというのがホントに出た……)。
7「昭和史発掘 幻の特務機関ヤマ」斎藤充功 新潮新書 680円
8「ロシアの軍需産業」塩原俊彦 岩波新書 700円
9「ベトナム症候群」松岡完 中公新書 920円
10「ふしぎの植物学」田中修 中公新書 760円
11「ヒンドゥー教」森本達雄 中公新書 980円
12「合戦の日本地図」武光誠・合戦研究会 文春新書 790円
13「真説・川中島合戦」三池純正 洋泉社新書y 740円
14「燃えるスカートの少女」エイミー・ベンダー 菅啓次郎訳 角川書店 1900円
「炭素型生物がこれまでに経験してきたどんな現実とも共通するところがない、とてつもなく切なく機知にあふれた短篇集」(エスクワイア)、「大胆なビキニみたいなセクシーさと非常な奇形にみちた荒々しい想像力が芸術へと造形されている」(フィラデルフィア・インクワイアラー)。という楽しいコピーが帯に記されている。これでピンときて買ったのだけど、日本でもこういったタイプの小説がもっと読まれると良いですな。
15「海を失った男」シオドア・スタージョン 若島正編 晶文社 2625円
16「サムソンの犯罪」鮎川哲也 創元推理文庫 780円
17「比翼」泡坂妻夫 光文社文庫 514円
18「探偵稼業はやめられない」サラ・パレツキー、マイクル・コナリー他 山本やよい他訳 光文社文庫 705円
雑誌「ジャーロ」の短篇アンソロジー。
19「九十九織」(つづらおり) 瓦敬助 コアマガジン 1900円
カラーイラスト集+短篇マンガ。「菜々子さん」も載っている。
20「さくら咲いちゃえ」私屋カヲル 白泉社 505円
21「大王」黒田硫黄 イースト・プレス 999円
「茄子」から黒田硫黄に入った私は、遡って読んでおります。
22「T・Pぼん」1〜4巻 藤子・F・不二雄 嶋中書店 各305円
この嶋中書店版では、これまで単行本未収録だった話も含まれているとのことです。全5巻なのでまだ1冊残っているんですけどね。
23「柔道讃歌」1〜6巻 梶原一騎+貝塚ひろし ホーム社漫画文庫 各648円
単行本化はまだ2回目、それも30年ぶりだとか。アニメにもなった梶原作品としては扱いが低い。そんなわけで買って一気読みしたのだけど、ラストがちょっと物足りない(梶原作品としては珍しく、主人公の破滅はないのだが)。
でも、確か、当時たまたま読んだ「サンデー」に登場していた黒い柔道着の連中とか、後楽園球場での戦いとかは、この文庫版では登場していないんですよね。単に記憶違いなのか、それとも収録されていない部分があるのか? 後者のような気がするのだけど。
DVD
先月は久しぶりに秋葉原にいったおかげでまた散財してしまいました。これ以上新しいシリーズに手を出し、戦線を拡大してどーする?
24「謎の円盤UFO」コレクターズBOX PART1(1〜13話) 24800円
といってもこれは見逃せません。LDのときは買い損ねていただけに尚更。
25「レッドドラゴン」 ユニヴァーサル 3980円
26「グリーンマイル」 ポニーキャニオン 2500円
27「SF/サムライフィクション」 ポニーキャニオン 2500円
26と27の価格は期間限定です。
28「天空の城ラピュタ」 ブエナビスタ 4700円
29「The ビッグオー」セカンドシーズン1巻(1話) 3800円
30「ストラトス・フォー」3巻(5〜7話) バンダイビジュアル 6000円
31「ガドガード」1巻(1〜2話) 5800円
32「ラストエグザイル」通常版1巻(1〜2話) 5800円
デザイン優先のジャケットだが、実用性に欠ける。巻数はディスク本体に小さく書かれているのみで、これでは分類・整理に不便。
33「エアマスター」1巻(1〜3話) バップ 4800円
今年の春から始まったアニメの中では、これが一番人気です。友人連中の中には「相川摩季になら蹴られてもいい! いや、ぜひ蹴られたい」とまでいいだす人もいるくらい(笑)。
おまけ。
8月、内閣府経済社会総合研究所の消費動向調査というのに協力したんだけど、その調査項目が「耐久消費財」とか「旅行」とか「土地・金融商品」といったものばかり。こんなに本やDVDを買っているのに、政府のお役人たちは経済活動とは見なしてくれないのでしょうか? ちょっと不満を覚えた私でした。
2003.9.16 ◇to page top
近況。サボテンとロケット
近況といっても、ちょっと前の話になりますが、去年買った小さなサボテンが今年も赤い鮮やかな花を咲かせました。砂漠の殺風景なところでは、この色はさぞ目立つことでしょう。
ちなみに夏のあいだは週1回のペースで水をやります。そのときに「ジュウーッ」という結構大きな音がするんですね(耳を近づければ確実に聞こえます)。まさかと思う人は、ぜひお試しあれ。
今年も何か買おうと、園芸店に行き、「ロケット」という名のハーブの種を買ってきました。単に名前で選んでみただけです。
袋にある説明によると、「香辛野菜。古代エジプトから作られていたハーブ。ゴマに似た香りとピリッとした辛さ。緑色の若葉にはビタミンCがたっぷり含まれる」とあります。
鉢はまだ買っていません。仕事が一段落しないと、世話を出来る余裕も無し。
仕事といえば「天空魔弾」。これがアップされるころは、2巻目の追い込みのはずです。
最初はワンアイディア物の1冊だけのつもりだったのですが、構成を考えているうちにいろいろと膨らみ、版元の要請もあって複数巻となりました。1945年の夏にタイムスリップした現代の日本はどうなるか? 単に自衛隊が米軍と戦うという話はたくさん出ているようですが、テーマその他、一味も二味も違うものにするつもりです。2巻目はさらに怒濤の海空戦が展開しますので、乞う御期待。
2003.9.9 ◇to page top
B−29と「鉄人28号」
現在発売中の「天空魔弾」(学研・歴史群像新書)は、1945年にタイムスリップする話なので、多数のボーイングB−29〈超空の要塞〉爆撃機が登場します。
今回はそのB−29と「鉄人28号」の意外な関係について。
「鉄人28号」といえば、横山光輝の初期の代表作。雑誌「少年」連載時は「鉄腕アトム」と人気を二分し、テレビアニメの黎明期にもやはり「アトム」と並んで活躍しておりました。自分の意志を持った「アトム」とリモコン次第で悪にもなる「鉄人」は、それぞれ特徴があって好対照でした。
1995年から6年にかけてその「アトム」と「鉄人」が光文社文庫から刊行されまして、マンガの「鉄人」を通して読んだのはそのときが初めてだったのですが、横山光輝の特異な才能を改めて確認したものです。
「鉄人」はリモコン次第で自由になる存在ですから、ストーリーの基本は、その「リモコンの奪い合い」。主人公の金田正太郎と悪の組織(ときには二つ、三つが同時に登場)の丁々発止の戦いは、じつにゲーム的でした。
のちの「伊賀の影丸」では忍者の集団バトル、「バビル二世」では宿敵ヨミの持つ手駒との戦い、すべてにおいてゲーム性が高い。
情緒性に傾きがちな日本のクリエーターの中において、この横山光輝のドライさは特筆すべきものだと思います。アトムに対して、「鉄人28号」という記号的な名前も象徴的。
さて、そのネーミングについてですが、文庫の中の著者あとがきにその理由が書いてありました(現在、実物が手元にないので、曖昧な部分は御容赦下さい)。
「鉄人はリモコン次第で悪にもなる存在。強くて、恐ろしいイメージで考えた結果、当時の日本人の多くが記憶していた B−29から持ってきたのです。何故29ではなく、28になったかというと、少し遠慮したというか、8の方が末広がりで縁起が良いというか」
理由についてはうろ覚えなので違うかもしれませんが、元ネタがB−29という点は確かです。
さて、この欄で以前、ナマで手塚治虫を見たことはただ一度だけある、と書いたことがありますが、じつは横山光輝氏(ここから氏がつく)とも一度だけお会いしたことがあります。
あれはもう17年ほど前になりますか……、短期間だけ編集の仕事をしていた私は大流行していたゲームブックを作ることになりまして、そのときの題材が鉄人だったのです。当時ライターだった樋口明雄氏とともに、光プロを訪問し、横山氏と言葉を交わしたことを覚えております。ちなみにそのとき製作した本のタイトルは「鉄人28号/東京原爆作戦」でした。
いま書いている作品を考えると、「因果は巡る」って感じですねぇ……。
2003.9.2 ◇to page top
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