雑誌の謎
あ、また並んでいる。
3月28日の讀賣新聞の朝刊1面、下にある本の広告のところ。国際出版の「月刊Gun」と銀座長州屋出版部の「月刊銀座情報」が並んで載っています。後者は日本刀売買専門誌で、「日本刀」の文字がとなりの「Gun」と同じくらいの大きさになっています。
確かに銃と刀は武器の二大アイテム。次元と五右衛門てなもの。――でも、なんでいつも広告が並んでいるの?(とくに回数はカウントしていませんが、数多く見た記憶あり)
新聞の方で気を利かせているのか、それともコミケのように「合体申し込み」があるのか、謎です。
(これがupされるのは4月下旬の予定。新聞をチェックしてみて下さい)
謎といえば、もうひとつ。前々から疑問に思っていたのですが、文芸誌、アニメ誌、女性誌、プロレス誌といったジャンル誌って、どうしてみんな発売日が横並びなんでしょうね? ある程度ずらして発売すればネタの差別化もできると思うのだけど。なんか業界のオキテでもあるのでしょうか。流通の都合なのか?
それから月刊誌だと実際の販売月よりも早い号数がつくのも謎ですね。4月なのに6月号が出ている、というやつです。
追伸。
4月18日の讀賣朝刊を見ると、「日本刀」のとなりにあったのは「メガネ」でした(笑)。「Begin」6月号の特集は「メガネの力」。男性用なので、残念ながらメガネっ娘は載っていませんが……。
2003.4.18 ◇to page top
最近買った本とDVDソフト 2003年3月編
(価格は税抜き)
1「アリになったカメラマン」栗林慧 講談社 1500円
2「カタチの歴史」今井和也 新曜社 2400円
建築とファッションのただならぬ関係
3「海軍食グルメ物語」高森直史 光人社 1800円
4「図説アメリカ軍の日本焦土作戦」太平洋戦争研究会編著 河出書房新社ふくろうの本 1600円
5「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」森川嘉一郎 幻冬舎 1500円
この手のものならオレに書かせろよ、といいそうな知人を何人も知っている私(笑)。当然のことながら、精神分析学にしろ、社会学にしろ、学問というものは現実よりも「遅い」わけで、このタイムラグの長短が内容と同じくらい重要な気がします。まあ、それは著者だけではなく、そういった企画を通す編集者(出版社)の意志決定の早さも大事なのですが。
6「インターネットで古本屋さんをやろうよ!」芳賀健治 大和書房 1500円
朝日新聞3月30日朝刊読書欄の「本職に聞く」コーナーで知った本。元編集者の著者が一昨年からネット上で開店した古本屋のノウハウを紹介している。主な仕入れ先は新古書店。100円均一の棚から、自分の目利きが生かせる「美術・映画・演芸」の分野で高く売れそうな本をそろえる。なるほど! 新古書店は単に新しいかどうかだけで査定しますからな。それを逆手にとった作戦というわけ。通算で4500冊仕入れ、そのうち2000冊を売り、現在は月に20万円を超える収入があるそうです。もちろん、誰にでもできるわけではなく、自分の得意ジャンルがあり、きちんと目利きできるかどうかがカギですね。
7「不死鳥の剣」R・E・ハワード他 中村融編 河出文庫 850円
ヒロイック・ファンタシーのアンソロジー(通はファンタジーではなく、ファンタシーと表記する)。収録されている他の作家は、ロード・ダンセイニ、ニッツィン・ダイアリス、C・L・ムーア、ヘンリー・カットナー、フリッツ・ライバー、ジャック・ヴァンス、マイクル・ムアコック。中村氏の編者あとがきによると、この種の企画は1970年以来だとか。
8「沈黙の函」鮎川哲也 光文社文庫 514円
9「七十五羽の烏」都筑道夫 光文社文庫 800円
10「耳猫風信社」長野まゆみ 光文社文庫 438円
おおっ、「猫耳!」と思い、手に取る……あれ、「耳猫?」と気づいたが、そのままレジへ。長野まゆみさんの本を買うのは久しぶり。河出文庫から出ていた初期の作品以来だから、あれれ、もう10年も前になるのか。
11「導きの星」1目覚めの大地 小川一水 ハルキ文庫 800円
12「導きの星」2争いの地平 小川一水 ハルキ文庫 780円
13「導きの星」3災いの空 小川一水 ハルキ文庫 860円
ハルキ文庫のヌーヴェルSFシリーズはじきになくなると聞き、急いで買いました。「導きの星」は3巻目のラストで「続く」となっていますので、4巻目も無事に刊行されて欲しいものです。
14「はじめの一歩」64巻 森川ジョージ 講談社 390円
15「ネコの王」4巻 小野敏洋 小学館 533円
いいところで第5巻に続く……。刊行の間隔が開いてしまうのが月刊誌連載のつらいところ。
16「野蛮の園」西川魯介 白泉社 581円
眼鏡っ娘マンガのマエストロ(帯より)の新刊。P132のあとがきに私の名前が出てきます。理由は読んでのお楽しみ(笑)。アレなものは仕方がないですね(^_^;)
いただいた本
17「プラトニックチェーン」渡辺浩弐 エンターブレイン 1200円
18「艨艟の堅陣」林譲治 リュウノベルズ 848円
DVD
19「ストラトス・フォー」1巻 バンダイビジュアル 3800円
20「キディグレイド」2巻 角川書店・IMAGICA 5800円
21「U−571」パイオニア 2980円
22「スパイダー・パニック」 ワーナー 2980円
製作年はわりと最近なのですが、こーゆうB級怪物映画は何か郷愁を誘うものがありますねぇ(^^)。
前々から考えているネタをひとつ。最新CG、日本の伝統芸の着ぐるみ、ハリー・ハウゼン風のストップモーション、それぞれで動く怪獣を3体出して、異種格闘技戦的な怪獣映画が作られないでしょうかねー。
2003.4.12 ◇to page top
4月7日・鉄腕アトム・手塚治虫の思い出
4月7日といえば戦艦大和が九州の坊ノ岬沖で沈んだ日でして、今年で58年目を迎えます。
でも、今年の4月7日は「鉄腕アトム誕生」一色で塗りつぶされることでしょうね。
「アトムは2003年生まれ」という話は以前から知っていましたが、その地が「高田馬場」だったということはつい最近テレビで分かりました(地元商店街の盛り上がりを知らせる地方ニュース)。
これは最初からそうだったのか、それとも長い間(70年代〜最晩年に新座に移るまで)手塚プロが高田馬場にあったために、あとから付けられた設定なのか、そこまでは分かりませんが。
さて、私個人の手塚体験。手塚治虫を生で見たのは、ただ1回だけ。それは1981年に東京で開催された「SFショー」というイベントでした(SF作家の何人かもそこで初めて見た)。
このとき手塚先生は「アニメファンはSF大会から出ていけ」という発言をステージでして物議をかもしたらしいのですが、そのときは「生で見た」感動の方が大きく、その意味の方はろくすっぽ考えなかったものです(笑)。
確かに当時、「アニメを認めない」といった風潮はSF界の一部にはありましたね(いまもそうか)。会場では拍手する人もいました。
私自身、手塚発言はストレートに受け取ってはいけないのでは、と長年考えていましたが、伝記や当事者のインタビューを多く読んできた現在、「案外、ホンキでいっていたのかも」と思うようになってきています。
手塚治虫自身、TVアニメのパイオニアなのですが、自著で「アトムが成功しなければよかったのだ」と書いているくらい、後続のアニメ作品には否定的な見方をしていたようです。おそらく70年代に全盛を誇っていた巨大ロボット(プロレス)アニメや「宇宙戦艦ヤマト」等は嫌いだったのでしょう。
「アトム」自体も本人が否定していた時機もあります。それやこれやアンビバレンツな部分も含めて手塚治虫の魅力ではあります。
(蛇足。商業的な成否と、クリエイター自身の評価が必ずしも一致しないのは、手塚治虫に限ったことではなく、多くの場合に当てはまりますが)
2003.4.5 ◇to page top
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