I氏の手紙

Ibuki Hideaki Free Talk

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林譲治さんから……

 林譲治さんから、フリートーク「柔らかい戦車とおカタイ軍艦」へコメントをいただく。
「艦船への愛のある本ならご本人が書けるのではないでしょうか?」
 もちろん、そのつもりです(笑)
 日頃、質の高い作品を量産される林さんの爪のアカを煎じて飲め、などと多方面から叱咤される私ですが、ちょっとは努力するつもりでおります。

2002.10.31 ◇to page top


そういえば田村ゆかり嬢にサインを……

 秋葉原にDVDその他を買いに行く。石丸電気のソフトワンには、新作が山積みになっているのですが、その中に声優の田村ゆかり嬢のDVDを多数発見。
「ギャラクシー・エンジェル」の蘭花役で大活躍の田村さん。そういえば、前にサインを差し上げたことがあったなぁ。
 そう、もらったのではなく。差し上げたのです。
 イベント等で声優さんにサインをしてもらうことはあっても、その反対は滅多にないのでわ。
 ま、3年前の打ち上げ会のことなので、御本人もきっとお忘れと思いますが。
 それにしても、3月に買った「紅三四郎」のDVDボックス。もう30パーセント引きで売られているなんて。とほほ……

2002.10.30 ◇to page top


柔らかい戦車とおカタイ軍艦

 遅ればせながら、近所の書店のミリタリーコーナーで置きはじめたワールド・タンク・ミュージアム(タカラ&海洋堂)を買い集めました(8、9月の話)。
 モリナガ・ヨウ氏の手によるイラストと文章が軽妙で良いですな。雑誌などでも、戦車に関する文章や絵は、「どうしようない不便な欠陥品だが」といった調子ながらも愛着を感じさせるものが多いような気がします。
 飛行機にも岡部ださく氏の「世界の駄作っ機」という名著もあり。
 ひるがえって、一番多く読んでいるはずの海軍艦艇に関する本には軽妙なものがほとんど見あたらないような気がします。「世界の艦船」の記事は全体的にカタイし(正確なのが一番ではありますが)、一般向けの単行本やムックも「日本海軍の艦艇はこんなに優秀だった」というワンパターンのものが多い。
(「海軍めしたき物語」という名著もありますが、これは海軍生活を綴ったもので路線が違うようです)
 この話をEinhornさんにすると「愛が足らないのでは」などといってました。むむむ。
 どなたか、軽妙洒脱なノリで軍艦を紹介(でも情報は正確)している本を御存知の方は御一方下さいませ。

 さて、ちょっとそれに関連する話。今年6月15日「世界ふしぎ発見! 地球の交差点!? マレーシア大航海ロード」(TBS)でやっていたネタです。
 戦前(1937年)に就航した豪華客船に「あるぜんちな丸」という船があります。豪華客船というくらいですから、上甲板にはプールがあったりするのですが、当時の日本人はそれをうまく活用できなかったとか。
 そこで、もっとお客さんたちに楽しんでもらおうということで、とある改装が行われましたが、それはいったい何でしょうかというのが問題。
 答は「釣り堀」でした。豪華客船の甲板で釣りを楽しむ。プールよりも歓迎されたそうです。
 TVはそこでおしまいでしたが、私は「あるぜんちな丸? どこかで聞いたことがあるな。時代的にも一致するし、さては」と思って調べたところ、たちまち判明。
 この「あるぜんちな丸」は、昭和17年、日本海軍が買収して空母に改装した客船でした。翌年には「海鷹」として就役しているんですねぇ。もちろん、釣り堀が撤去されたことはいうまでもありません。
 ちなみに「海鷹」は商船改装空母の中ではもっとも小型(全長166メートル)のため、空母用カタパルトを持たなかった日本海軍としては、もっぱら飛行機運搬船としてしか使い道がなかったとか。

2002.10.26 ◇to page top


最近買った本とDVDソフト 2002年9月編

(価格は税抜き)
1「写真生活」坂川栄治 晶文社 1800円
 カメラを語りたがる人は多いが、それに比べて写真を語る人は意外と少ないのではなかろうか(どっちの雑誌が多いかは一目瞭然)。
 本書は写真の魅力にはまったブックデザイナーが、オリジナル・プリントを集め、自分でギャラリーを開く(そして閉じる)までを語っている。
 じつは私も写真にはまり、かなりの数のコレクションを持っています。ほとんどの方は知らないと思いますが(当然ですな)、架空戦記ブームで得た収入の多くはここに費やしました。私もいずれギャラリーで公開したいもの。この件は、いずれフリートークでくわしく書くことにします。
2「夜間戦闘機」渡辺洋二 光人社NF文庫 686円
 ドイツの夜間戦闘機隊の活動を紹介した本書は、サンケイ、ソノラマ版に続いて三度目の刊行。写真と図版類が増えています。サンケイ版のときはまだかなりお若かったんですね。

3「理由」宮部みゆき 朝日文庫 857円
4「クロスファイア」上下 宮部みゆき 各590円
 ベストセラーを買うのは久しぶりだ。あ、「はじめの一歩」や「ベルセルク」も大ベストセラーなのだが……。
5「家蠅とカナリア」ヘレン・マクロイ 深町眞理子訳 創元推理文庫 780円
6「日本以外全部沈没」自選短篇集3パロディ篇 筒井康隆 徳間文庫 571円
 慣れていないせいか、活字が大きいのがかえって読みにくい。
7「ラーゼフォン 時間調律師」神林長平 徳間デュアル文庫 590円
8「葉緑宇宙艦テラリウム」夏緑 MF文庫 580円
 帯のコピーが「火星産つるぺた娘の魅力爆発スペースオペラ!!」とくりゃ買うしかないでしょう。タイミングがタイミングだしね。「つるぺた」でひっかかるが、この際、相反する思想(笑)にも寛容な心で。

9「ラスト・ブックマン」とり・みき&田北鑑生 早川書房 1400円
10「キリエ 吸血聖女」2巻 杉村麦太 秋田書店 390円
11「はじめの一歩」62巻 森川ジョージ 講談社 390円
12「銃夢 Last Order」3巻 木城ゆきと 集英社 648円

 いただいた本
13「Mr.ボーイ」3巻 山本貴嗣 双葉社 552円

 DVDソフト
14「WXV PATLABOR THE MOVIE 3」高山文彦総監督 バンダイ 7800円(通常版)
15「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」押井守監督 東宝 6000円
 DVDではコメンタリーが副音声で入っているものがあります。この2本ともそう。主に解説やら楽屋話ですね。とくに15では千葉繁が出演していて楽しい。
16「ラーゼフォン」5巻 出渕裕総監督 メディアファクトリー 6000円
 小ネタとして、変わった味付けの話が出てくる。たとえば納豆に砂糖を入れるとか。私の知る限り、北海道富良野時代に近所にひとり(というか一家)だけいたな。同様にご飯にバターと醤油というのもありますが、これは私だけではなく北海道の人の多くがやっているのでは?(林譲治さんも経験があるといっていました)

 先月、近所に住む少年H氏やってくる。
「金子ゴジラのDVD持っているでしょう。貸して下さいよ」
「な、何故知っている?」
「だって筒抜けじゃないですか」
 そうなのである。こうやって発表している以上、筒抜けなのである。以後はH氏のレンタル屋と化している私。いずれ料金をとらねば。
 そういえばやはり近所に住む某評論家に貸した本が、2年以上たってもまだ戻ってきていないなぁ。

2002.10.22 ◇to page top


「マーズ・アタックガール!」がトンデモ本に?

 14日、イラストレーターの幡池裕行さんから電話。なんと「マーズ・アタックガール!」が「と学会」のサイトで話題になっているという。
 どうやら、あとがきで紹介している「地上星座学への招待」が原因らしい。
 この本はかいつまんでいえば、
「星座のかたちと湖沼のかたちは一致しているものが多い」
「これは星の光を受けた地球が、宇宙への憧れを表したもの」
 ということになる。
「――招待」の著者、畑山博氏(惜しくも昨年亡くなっている)は、「いつか汽笛を鳴らして」という叙情的な作品で芥川賞を受賞している。宮沢賢治の研究者としても知られ、いわば宇宙にロマンを投影する(広義の)ファンタジー系作家だ。
 最初、この本を読んだとき、「ユニークな夢想をする人だなぁ。面白い」と思った。そして、「何かに応用できないか」と考えた。
「イドの怪物」をはじめ、頭の中のものが実体化するというSF作品は多い。あの「ソラリスの陽のもとに」にも登場する。
 その「思い」が星から星へ飛び、何かの形で実体化するとしたら……。火星に対して人類はどれだけの「思い」を蓄積させてきたか……というのが拙作のベース部分となった。
 そのため敬意を表して、作中とあとがきで「地上星座学への招待」を紹介したのである。
「ユニークで面白い」と感じることと、「科学的に正しいか、トンデモなのか」、それは別物だと思うのだけど。
 また、以上の考えは、作中では主人公だけが思っていることである。他の登場人物たちは批判的だ。主人公と作者を一体化させるのは、あまりにも短絡的ではなかろうか。私自身は「面白い」とは思っても、「科学的に正しい」などとは微塵も思ってはいない。
 この春、軍事的に正確か否かだけで架空戦記が「リアル系/トンデモ系」に線引きされることに不満を感じ、「冥海の鋼鉄葬」を書いた。
 科学的に正確か否か。ハードSFだけにこだわるのならともかく、長い歴史を持つSFはそんなところで止まるほど、ちっぽけなものではないと思うのだが。

2002.10.15 ◇to page top


メガネキャラについて

「マーズ・アタックガール!」に登場する天光院三姉妹。次女の鷹子は「比較実験」と称して姉と妹の胸を鷲づかみにするというやりたい放題のメガネ美人です。
 そう。人間が火星に住むほど未来の話なのに、この鷹子はまだメガネをかけています。ここでひっかかる人は、どのくらいいるのでしょうか?
「なんで未来なのにメガネなんかかけているんだよ」というやつです。
 確かその昔「地球へ」を連載中(後?)の竹宮恵子氏が同じような疑問に対し、
「キャラクターの個性としてメガネをかけさせている」
 と書いていたと思います。
 いまでもコンタクト・レンズではなく、メガネを「選択」して使っている人がいますからね。
 おそらく将来的には一般的な近視の予防法や治療法は確立することになるでしょう。そのころに果たしてメガネをかける人がどのくらいいるのかは分かりませんが(サングラスは別物)、竹宮氏のいうように「キャラクターとしてのメガネ」はしばらく残るのでは、と思います。
 それとは別に、メガネをめぐる現実とフィクションの違いで、ずっと前から感じていたことがふたつあります。
 その一。漫画やアニメのキャラクター構成で、「メガネくん」はひとり。大体主要キャラが5〜7人いると、そのうちメガネくんはひとりだけというパターンが多い。この比率は現実よりもずっと少ない気がします。
 以前(といっても大昔だが)、私がよく例会に顔を出していたSFサークルでは、集まった10人中、8人までがメガネをかけていました(私を含む)。これはよく本を読み、映画を観まくる人間ばかりなので極端な例ですが、高校時代は40人学級で11人という比率でした。現在でも街を歩いたり、電車に乗って観察していても、一般的にはこんな感じだと思います。皆さんのまわりではどうでしょう?
 その二。古典的な少女マンガでお馴染みの、パッとしない女の子がじつはメガネをとると美人だったというパターン。
 昔むかし、私はその逆の人を知っていました。長い髪と白い肌、文学少女的なイメージでとても良かったのですが、メガネをとると、間が抜けた感じになってしまうのです。「黄金の血脈」に登場する妃乃匡子は、ここから引っ張ってきました。
 ちなみに昔のその子は進学して色気づくと(笑)、コンタクト・レンズに切り替えたのですが、私の関心もとたんに薄れてしまいました。
 ハッ。何か自分がメガネ・フェチであることをカミングアウトしているような気になってきたぞ(何をいまさら……)。
 いまは「屈折リーベ」や「SF/フェチスナッチャー」の西川魯介さんのような剛の人も現われ、メガネキャラだけの同人誌即売会も開催されるという御時世。昔は日陰の存在だったメガネキャラの扱いも(一部では)改善(というか暴走)されてきたようです。
 さてさて、11月の上旬は仕事の締め切りとIFCONがぶつかっているのですが、それに加えてメガネキャラ同人誌即売会が4日にあるんですねぇ。どうする、どうなる!?
(ちなみに3日には「みみけっと」がある……やれやれ)

P.S.メモが出てきた。
6月4日の「ニュース・ステーション」の特集によると、日本のメガネ人口は6千万人だという。コンタクトレンズを含めてのような気もするけど、2人に1人とは多すぎないか?
P.S.2(10月15日)
 めがねキャラで最近、良いな、と思うのはアニメ「ロビン」に登場する瀬名ロビン。クライマックスでかけるメガネがキュート。
 一方、メガネっ娘ばかりの「G−onらいだーず」はどうしたわけか食指が動きません。観てみないことには何も言えないのだが、その一歩がなかなか……

2002.10.7 ◇to page top


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