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6月末の締め切りまであと少し
事前に書いたもので近況というのも変ですが、これが流れるころには、富士見ファンタジア文庫の仕事もクライマックスに突入しているはず(そうでなくてはヤバイ)。
富士見ミステリー文庫からは去年「黄金の血脈」を出していますが、ファンタジア文庫のほうは99年8月の「エンジェル・リンクス銀河爆闘編」以来、3年ぶりの登場となります。
舞台は宇宙、そして謎のヒロインが大活躍(すでにお気づきの方もいるでしょうが、アレです)。
問題は、
重力はあらゆる少年の敵だ レイ・ブラッドベリ
重力はあらゆる巨乳の敵だ 伊吹秀明
という一節をどうやって担当の(た)さんの目をかいくぐって入れるか(笑)。いや、マジで。でも、今回のヒロインは李美鳳ほど巨乳じゃないんだよね。他のキャラに巨乳のおねーさんはいるんだけど。
うまく6月末までに書き上がれば、発売は8月ということになります。くわしくは発売が近づいたころにまた発表しますので。
7月からは2本同時(場合によっては別の企画仕事ももう1本)に執筆することになりそうです。長年やってきたSF同人誌の最終号(3年以上も止まっている)もいい加減、ケリをつけなくちゃならないし。俄然、忙しくなってきたぞ……。
2002.6.28 ◇to page top
ちょっと遅めの近況。ホラー(?)な話題など。
高田馬場と池袋にある芳林堂コミックプラザに時どき立ち寄ります。そこで配布している「コミプラ新聞」という情報紙が熱くて面白い。
5月25日号で「今月のおすすめ作品」として紹介していたのが、
いがらしみきおの「Sink(シンク)」1巻。(竹書房)
これは現代の不安をベースにした、神経症的なホラー作品なのだが、
「発売後2週間経つが、まったく売れない。もともと、ロングセラーである『ぼのぼの』を除くと、どの単行本も、大したセールスはないのだが、それにしても凄い落差である」
という状況を赤裸々に明かしながら、しかし、
「これほどの傑作が、日の目を見ないことなどあり得ない」
といいきっている。いや、もう熱い、熱い。こうした店員さんがいる本屋は良いですな。
サッカーW杯、日本対ロシアの最中、ライターのSK嬢から電話。
「『○ッ○○○』という小説がラジオドラマになるんで、いま、その脚本を書いているんですけど」
「ふーん。で」
「ホラーなんですよ、それ。呪われてしまうのではないかと心配で心配で」
「アホじゃねーのか」
「それが両親の乗った車が事故で、車がグチャグチャになって」
「死んだの」
「いや、ふたりとも助かったんですけど。他にも気になることが(以下省略)」
「偶然だろーが。大体、祟りがあるとしたら、その『○ッ○○○』の作者のほうだろうに。ホラー書いているくらいで祟りがあるんじゃ、岩○○○子は10回くらい死んでいるし、鈴○○司なんか100回は死んでるって。いい歳こいてバカぬかしてんじゃねぇ」
「ああ、もっといってください」
Mモード全開のようである。私はここぞとばかりに罵倒する。
「せっかくサッカーの日本戦をやっているのに、なんてところで電話してきやがる、この貧乳! 腐れ外道アマ! あ、1点入った」
ちなみにロシアに勝った日本。「週刊文春」の6月20日号では、わざわざあの東郷平八郎元帥の曾孫を探しだしてコメントを求めている。
曾孫は東郷宏重氏、42歳。期待どおり(!)海上自衛隊の三佐で、横須賀の護衛艦隊司令部勤務。しかも、趣味はサッカーだとか(笑)。
なお、「文春」の同号では、ナンシー関の遺稿(たぶん)が掲載されていました。享年39歳。
なんてことを書いていたら、日本はチェニジアにも勝ち、決勝トーナメントに進出。これが流れるころにはトルコ戦の結果も出ているころでしょうか。
6月末までの締め切りは果たして守れるか。原稿はまだいっぱい残っている。私にとっては、こちらのほうがリアルな恐怖です。
2002.6.19 ◇to page top
父親について
これが流れるころはまだサッカー・ワールドカップの最中だと思う。日本は1勝くらいしているだろうか(事前に書いたものを何本かまとめてEinhornさんに渡しているので、自分ではいつ流れるのかよく分からないのです)。
はたして、うちの父上はサッカーを観ているのだろうか? おそらくニュースで試合結果が流れるのを見て「くだらん」とかいっているのではないだろうか。
父はとくにサッカー嫌いというわけではない。
ただ、生粋の山育ちで、苦労人の父は、「あんな生活の役に立たない、たかが球蹴りの選手が何億円、何十億円も取る」というのが理解できないし、腹立たしいのだ。プロ野球選手に対しても同様である。
ちなみにイタリア代表の年収合計は90億円(日本は中田ヒデを除けば9億円)だとか。
父にいわせると、「野菜を作ったり、家具を作る仕事のほうがずっと価値がある」というわけだ。
60歳を超えて、独力で(自分の手で)立派なログハウスを建ててしまう人間のいう言葉である。
私の仕事もとくに人の生活の役に立つものではないが、まあ、何億円ももらっているわけではないので、文句をいわれたことはない(もちろん、いくら文句をいわれても、もらえるものならもらいたいものだが)。
そのような行動派の父だが、本を読むのも好きなようで、時間があるときにはジャンルを問わずにいろいろと読んでいた。
ただ、やはり実用主義の父のこと、「本なんてものは読めれば充分。ハードカバーなんざ、ただの棚の飾りに過ぎん」といって、古本屋で買った文庫本ばかりを読んでいた。しかも、読んでいる最中にカバーは取る、無くす、平気でページを折る、本が無傷で済むことはほとんどない。
一度自分の本がそんな目にあって以来、父に本を貸したことはない(あまり父が関心を示さないマニアックな本ばかりを読むようになったりもした。……おお、いま気がついた)。
さて、ほとんどのうちの場合そうだろうけど、父親と息子の関係というのは素っ気ないものだ。私も父と会話することはあまりなく、あっても事務的なものばかりだ。電話は滅多にかけず、会うのも正月だけ。
ただ、今年になってから珍しく電話で話が弾んだことがある。
鈴木宗男批判である(笑)。
我が家は一時期、鈴木宗男の選挙区に住んでいたことがあって、そこで具体的に宗男の生臭い話を見聞きしていて、ずっと嫌悪感を抱いていたという事情がある。
宗男の逮捕もカウントダウンらしい(これが流れるころには……?)。結果的に貴重な会話のネタを失ってしまうのは残念なような気もするが。
(2002年5月27日記す)
追伸。ひとつ思い出したぞ。その昔、アニメ「無敵鋼人ダイターン3」を観ていたときの話。敵にとどめを刺すときの決めゼリフに「日輪の力を借りて――」というのがあるのだが、後ろでテレビを観ていたらしい父が一言。
「日輪の力を借りなくてはならんとは情けないやつだ」(笑)
2002.6.14 ◇to page top
最近買った本 2002年5月編
1「帝国陸海軍補助艦艇」歴史群像太平洋戦史シリーズVol.37 学研 2000円
2「ロシア/ソビエト戦艦史」世界の艦船増刊 海人社 1600円
このシリーズは、これでひととおり揃った(ソ連物は書いていなかったので、これだけずっと買っていなかった)。
世界の艦船増刊では、1980年刊行の「第2次大戦のイギリス軍艦」をもう一度「新版」として出して欲しいですね。最初に出たものだけに、後のものに比べて情報に乏しく、完成度も低いので。スループ、フリゲート、コルベット、その他の補助艦艇だけでも1冊出していただきたい。多少高くなるのはやむを得ませんので。
3「図説現代殺人事件史」ふくろうの本 福田洋 河出書房新社 1600円
4「イカ・タコガイドブック」土屋光太郎・山本典暎 写真/阿部秀樹 TBSブリタニカ 2400円
大変貴重なダイオウイカの赤ちゃんの写真(体長3センチ)が載っている。次は生きた10メートル以上のやつが見たいものです。生きているうちに。
5「アジアへごはんを食べに行こう」向山昌子 講談社文庫 467円
6「手塚治虫――ロマン大宇宙」大下英治 講談社文庫 990円
7「藤子不二雄論 FとAの方程式」米沢嘉博 河出書房新社 1800円
6は伝説的な壮絶エピソードが満載。富士見の担当の(た)さんに勧めたところ、「編集者としてそんなコワイものが読めるか!」とのことでした(笑)。
7はこれまでありそうでなかった藤子不二雄の作家論。読み応えあります。
8「パティシエ世界一」辻口博啓・浅妻千映子 光文社新書 700円
9「惑星学が解いた宇宙の謎」井田茂 洋泉社新書y 740円
10「漢語の語源ものがたり」諏訪原研 平凡社新書 760円
11「準急ながら」鮎川哲也 光文社文庫 476円
12「本陣殺人事件」横溝正史 角川文庫 629円
横溝正史生誕百年記念ということで、何冊か新装幀で出ています。
13「本格ミステリ02」本格ミステリ作家クラブ編 講談社ノベルス 1600円
14「近所迷惑」筒井康隆自選短篇集@ドタバタ編 徳間文庫 571円
久しぶりに筒井康隆の本を買った。昔……80年代の前半、筒井康隆を熱心に読んでいた時期があった。たぶん文庫化されたものは全部買ったし、当時としては珍しくハードカバーも何冊か買っていたほど。
15「どーなつ」北野勇作 早川書房 1500円
16「太陽の簒奪者」野尻抱介 早川書房 1500円
17「傀儡后」牧野修 早川書房 1700円
18「海を見る人」小林泰三 1700円
15〜18は早川書房の「Jコレクション」という叢書を御祝儀として最初の4冊を購入したもの。4冊表紙を並べて見ると、力を入れているぞ、というのが伝わってきますね。
そういえば80年代の初頭に同じ企画がありましたな。当時は神林長平、大原まり子、水見稜、火浦功、新井素子、岬兄悟……(確か、すでに売れっ子になっていた夢枕獏の本だけ大幅に刊行が遅れたはず)といった人たちでした。当時の自分は、高かったので買いませんでしたけど。今回もちょっと高いと思います。文庫で出すのはやはり難しいのでしょうかねぇ。
19「夏のロケット」川端裕人 文春文庫 638円
どこかで見た名前だと思っていたら……あっ、「ペンギン、日本人と出会う」(文藝春秋・1714円)を書いた人だ。
「ペンギン」は歴史的、科学的、文化的にペンギンと日本人について紹介・考察した本で、去年買った本の中では5本指に入るノンフィクション。ちなみに「夏のロケット」のほうは小説です。
20「西武新宿戦線異状なし・完全版」押井守×大野安之 角川書店 780円
94年に日本出版社から出たものに番外短篇をプラスしたもの。
21「影狩り」1〜6巻 さいとう・たかを リイド文庫 各571円
ずっと昔、親戚の家で1冊だけ読んだ記憶がある(20年以上前に別の版元から出た文庫版)。懐かしくて1巻を買って読んだらけっこう面白くて続きを買った次第。
22「はじめの一歩」61巻 森川ジョージ 講談社 390円
23「ひたひた」イラスト集 鶴田謙二 白泉社 1800円
はだかのねーちゃんばかりの画集。鶴田夫人によると「ファイト一発」というタイトルだそうですが、最初で最後のという触れ込みのロング・インタビューを読むと「ダウナー系」だということがよく分かります。
24「CANDY WRAP」イラスト集 たもりただぢ ワニブックス 2500円
やはり「眼鏡&つぶれおっぱい」(くにゅっとなったやつですな)に惹かれて買ったものなり。さらにこの方は「しましま」フェチでもあるんですなぁ。
25「山田章博画集」中央公論新社 8000円
値段でちょっと躊躇しましたが、20年の軌跡がこの1冊にという触れ込みに惹かれて買ってみました。封入されている簡易レプリカは、べつな絵にして欲しかったス。
以下はDVDソフト
26「ソードフィッシュ」ワーナー・ホーム・ビデオ
27「羊たちの沈黙」20世紀フォックス
28「史上最大の作戦」20世紀フォックス
29「現金に体を張れ」ワーナー・ホーム・ビデオ
30「2001年宇宙の旅」ワーナー・ホーム・ビデオ
この5本は2500円(30は1500円)のものを近所のCD屋でさらに2割引きで買ったもの。期間限定とはいえ、どんどん安くなりますねぇ。高いうちに買ってしまったアレとかナニとかを思うと、ちょっと悲しくなってくる。しかも、まだ観ていないやつもあったりなんかして。
31「ピストルオペラ」日本ビクター 4700円
32「陰陽師」東宝 6000円
監督は滝田洋二郎。私はこの人の撮ったにっかつロマンポルノのSF作品「タイムアバンチュール絶頂5秒前」が好きでしてねぇ。LDも持っています(笑)。
33「メメント」コレクターズ・セット アミューズ・ソフト 6600円
このセットは、同じクリストファー・ノーラン監督のデビュー作「フォロウィング」のDVDソフトとの2本組。
34「ナジカ電撃作戦」Vol.6(11〜12話) メディアファクトリー 5800円
35「まほろまてぃっく」Vol.6(11〜12話) パイオニア 5000円
36「学園戦記ムリョウ」Vol.8(23〜26話) キングレコード 5980円
34〜36は最終巻。
37「エイリアン9DVD対策箱」 バンダイビジュアル 3800円
38「カウボーイビバップ天国の扉」 バンダイビジュアル 7800円
39「ほしのこえ」コミックス・ウェーブ 5800円
40「キカイダー01 THE ANIMATION」Vol.3SME・ビジュアルワークス 4800円
41「キカイダー01 THE ANIMATION」Vol.4SME・ビジュアルワークス 4800円
42「もののけ姫」ブエナビスタ 4700円
以上、価格は税別です。
先月0本だったDVDが一挙に17タイトル。5月は買いまくりでした。
合計11万7547円+税の出費。うーむ、やはり仕事を終えた(つまり部屋に籠もりっぱなしだった)反動
5月はさらにX−BOXと「DEAD OR ALIVE 3」も買っている。息抜き用に大活躍(笑)。グラフィックが綺麗なのは良いのだが(女性キャラは相変わらず巨乳ぞろいだし)、新コスチュームを出すための条件がキビシすぎるのと、ストーリーモードの最後の敵が最悪(格闘ゲームの面白さがまったく感じられない)なのは何とかして欲しい……。
さて、すっかり散財した5月でしたが、6月はまた仕事が忙しくなるので買い物は控えることになるでしょう。
2002.6.7 ◇to page top
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