I氏の手紙

Ibuki Hideaki Free Talk

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今年届いた年賀状から

 ビジュアル的なものを何点かピックアップしてみました。少々画面が賑やかになることを期待してここに御紹介します。
 新年早々いただいた近藤敏信さんの同人誌の表紙も一緒に。
 年賀状は会社から戴いたものもあるのですが、「ガン○ム」や「フル○タル・パ○ック」を載せるのも何ですので割愛させていただきます。

(画像をクリックしてください。賀状展示室を開きます。
期間限定公開のため展示終了しました。ストレイシープ表紙のみ展示中)

2002.1.27 ◇to page top


最近買った本とDVDソフト 12月編 (価格は税別)

1「宇宙を支配する6つの数」マーティーン・リース 林一訳 草思社 1900円
 人間原理の解説書。
2「大宇宙の素顔」福井康雄 光文社 1714円
「ハッブル」「すばる」「VLT」などがとらえた最新カラー画像。
3「第2次大戦歩兵小火器」床井雅美編訳 並木書房 1800円
4「日本兵捕虜は何をしゃべったか」山本武利 文春新書 680円
5「漢字と日本人」高島俊男 文春新書 720円
6「科学捜査の事件簿」瀬田季茂 中公新書 780円
7「中東百年紛争」森戸幸次 平凡社新書 740円
8「洋菓子はじめて物語」吉田菊次郎 740円
9「怪しいお仕事!」北尾トロ 新潮OH!文庫 562円

10「グッドラック戦闘妖精・雪風」神林長平 ハヤカワ文庫 860円
11「吹け、南の風(星戦の熾天使1)」秋山完 ソノラマ文庫 476円

12「はじめの一歩59」森川ジョージ 講談社 390円
13「ベルセルク22」三浦健太郎 白泉社 505円
 長いシリーズ物のマンガでずっと買っているのは、いまはこのふたつだけになりました。……と思いきや、次のシリーズも買い続けていることを思い出した。タイミング良く出るんだもんなぁ。
14「エロイカより愛をこめて27」青池保子 390円
15「みんな以外のうたR」永野のりこ ぶんか社 857円

 ここからはDVDソフト。今回はいつもよりアニメが多い。
16「THE SOUL TAKER」Vol.5(12〜13話完) パイオニア 5500円
17「学園戦記ムリョウ」Vol.5(12〜14話) キングレコード 5500円
18「キカイダー01 THE ANIMATION」Vol.2SME・ビジュアルワークス 4800円
19「ナジカ電撃作戦」Vol.2(3〜4話) メディアファクトリー 5800円
20「まほろまてぃっく」Vol.1(1〜2話) パイオニア 5000円
21「まほろまてぃっく」Vol.2(3〜4話) パイオニア 5000円
 黒書刊行会の佐藤氏が「まほろ」は良いおっぱいアニメなので買いなさいと薦めるので購入。ところが、その後「そんなこといいましたっけ」といってやがんの。まあ、言葉通りであることは確かでしたが。
22「ロボフォース鉄甲無敵マリア」 ビームエンタティメント 4800円
 80年代ビデオで観て、とても面白かった香港映画。実写でザクもどきが動くのがポイント。DVDのパッケージは日本語なんですが、ディスク本体には原題の「鉄甲無敵瑪利亜」の文字しか書かれていなく、字幕も中国古語、中国簡体、英語と続き、日本語は一番最後。おそらく向こうで発売されたものの流用なんでしょうね。ビデオ版ではカットされた部分も収録されている。
23「前田愛 ai no reversible」 フェイス 4700円
 4つのエンディングがあるドラマDVD。ちなみに握手会入場券の番号は354番。「SFクリスマス」のゲスト企画に出なくてはならなかったので行きませんでしたが。

 おまけ。買わなかった本
●「SF入門」日本SF作家クラブ編 早川書房 1500円
 去年もちらりと触れましたが、改めて書きます。この本は本屋で立ち読みしただけ。内容以前に、1500円のハードカバーというだけで怒りがこみ上げてきて買わなかった。
 まずSFの入門者というのはどういう人だろう? 30歳を越えていきなり「SFに目覚めました!」なんていう人は皆無ではないだろうけど、そう多くないことは容易に想像できる。少なくとも商業出版の対象としては考えにくい。
 普通に考えて中高校生くらいを対象にすべきだ(小学生用には別の種類の本を用意するといいだろう)。それに対して1500円プラス税という価格設定はあまりにも高い。500円程度の文庫本にするべきだった。
 ハードカバーになったのは部数が見込めないという、たぶん採算性の問題なんだろうけど、こういう本は単体のみで評価しないで、広く戦略的に考えるべきだった。単体では赤字でも、それによって過去のSFの財産が活かされれば良いではないか。そして、そういう財産をいっぱい持っているのが早川書房ではなかったのか。SFの読者が少しでも増えれば、書き手(日本SF作家クラブ)にもメリットは大きかったはずだ。この価格設定と体裁は大失敗といえる。
 中身についてはパラパラと立ち読みしただけなので、深入りはしない。ただ、マニアのお勉強という印象は受けた。
 これで中高校生は買ってくれるのだろうか? 彼・彼女らの知るヤングアダルトや映像作品を起点にしたほうが入りやすくはないのか。どうもこの本の企画・構成者には、本を売るという現場の視点が欠如しているように思える。
 繰り返すが、これがSFマニアのお勉強本だったら、私はこんなに怒りはしなかったし、買ったかもしれない。「入門書」などと称していることに怒っているのだ。
 もちろん、何もやらないよりはマシだろう。これによりほんの少しはSF読者が増えるのかもしれない。ただ、効果のほどは特大の疑問符がつく。もし次の機会があるとしたら、今度はもっと真剣に考えて「入門書」を作って欲しいものだ。
 一SF愛好者として、久しぶりにマジになった一件でした。

2002.1.22 ◇to page top


とりあえず2002年の抱負などを

 昨年2001年、世に出た伊吹秀明の仕事は、単行本(文庫)2冊、雑誌掲載3回、原作のコミック単行本2冊でした。
 これは1993年のデビュー以来、ワースト・タイくらいの低い露出度となります。
 原因は「究極の奇想艦隊」物(いつの間にか究極がついている)が、今までにない試みをやろうとして長時間かかったのと、同時に水面下で企画を何本も進めていたためです。分かってはいましたけど、効率が悪いことおびただしい(昔、某編集者に指摘されたように、多ジャンルを手がけるのはやはりイバラの道なのでしょう)。
 だが、しかし――
 ようやく苦しい時期を乗り越えました。
 大難産だった「究極の奇想艦隊」もあとほんの少しで脱稿(発売時期は2月か4月か微妙ですが。3月は発売しないそうです)。秘密企画もこれから何本かは海面に浮上し、実現化に向かうでしょう。
 とりあえず今年最初の仕事として短編「三姉妹スペオペ物」と長編の「仮称第一〇五号作品」(これまた自分にとっては新しいジャンルです)に着手したことを報告しておきます。そして、こっそりと「プライベート・ニャンニャン」も進行中なり。
 自由業者にとって幸いなことに、予定だけは今年もぎっしりと詰まっています。昨年以上に作品を発表できるように努力しますので、御支援、御注目をよろしくお願いします。

2002.1.17 ◇to page top


年末いろいろ・冬コミ・「ファンロード」に猫耳が

 2001年12月30日、ビッグサイト。コミックマーケット61
 毎度のことながら、うちのサークルはSF関係者のたまり場と化してまして、いろいろな人の待ち合わせの目印にされていたりします。今回も小谷真理さんが来襲。売り子をしていた岡本賢一氏に「大ファンなんです。『薔薇姫』の続きを早く書いて下さい」と迫っていました。恥ずかしそうにモジモジしていた岡本氏が面白かった(笑)。
 お客さんの中には、会場に貼ってある森林保護のポスターはどう見ても「猫耳戦車隊」のパクリですよ、とチクって――もとい御注進してくれる方が何人も。あれが話に聞くエルフ耳戦車なのでしょうか? まだ未確認。
「猫耳」といえば、コミケで会った柏崎玲奈嬢情報によって、「ファンロード」1月号にこのような記事が載っていることが判明。摂津市・前田裕之さんの作品を御紹介しておきます。以下、同号85ページのキャプションより。
「ボークス社の素体、アゾン社衣装の伊吹秀明氏作『出撃っ! 猫耳戦車隊』の遊月少尉。猫耳はラバースカルピー製、植毛&レンズ加工の瞳がいい」
 なかなか奥が深い世界です。

Einhorn註:
 昨年のSF大会で製作者の前田さまから見せていただいたものではないでしょうか……ひょっとして、その後バージョンアップされてますか?
 前田さま、投稿採用おめでとうございます

2002.1.12 ◇to page top


ながいながいSFのはなし

 筒井康隆の『私説博物誌』を読み返していたら、小説で一番長いタイトルは、ハーラン・エリスンの「“悔い改めよ、ハーレクィン!”とチクタクマンはいった」となっていた。そんなはずはないと思い、作ってみたのがこのリスト(Ver.1は「パラドックス25号」掲載)。小説すべてを調べるのは、さすがにしんどいので(広義の)SFとファンタジーに限らせてもらった。総じて前衛的、実験的なものが多いと思う。
 まだ数字表記をどうするかとか、副題を含めるべきかといった問題が残っているが、とりあえずは大目に見ることにした。まだ××××があるぞ、というものがあれば御教示を願う。
 ――というのが1989年に「NOVA MONTHLY」に載ったときの前書き。大急ぎでこの11年間分のチェックを試みようとしたが、資料も時間もなく、非常に粗いものしかできなかった。しかし、こういうことをやっている人は他に出くわしたことがなく、これはこれで希有なリストだと思う。取りこぼしたものについては、続けて御教示をいただきたい。

・24文字以上の作品。
・作品タイトル、作家名、収録している雑誌・単行本名
・ヤングアダルト系作品は調査が粗いので、とくに情報をお待ちしています。長編ではまずありえないので、雑誌と短篇集・アンソロジーが調査の対象です。
・一度まとめたものを本に収録する予定があるので、締め切りは2002年1月末までとします。


●フィリップス“忘れられた巨匠”シリーズ交響曲第六番ハ短調『悲劇的』ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン二世
『レンズの眼』L・ジョーンズ
●凶暴星エクスタ市に発生したニュー・リズム・ワートホッグに関する報告及び調理法及び見通しについて
『筒井康隆全集10』筒井康隆
●ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界
『パン屋再襲撃』村上春樹
●牡猫ムルの人生観ならびに偶然刷りこまれた反故紙にみる楽長ヨハネス・クライスラーの伝記の断片
『ホフマン全集7』ホフマン
●我が棲いはヘリュージョンの野の片ほとり厭わしきカルニアの運河に沿うた地下墓地だ
『タルホ座流星群』稲垣足穂
●アルフレッド・ツェレルマン著「集団指揮官ルイ十六世」シュールカムフフ出版社刊
『完全なる真空』レム
●宇宙の中心の丸太の上に立ってしまったら、その後にすべき事は何が残っているか
『三分間の宇宙』G・キャリントン
●下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件
『ベストSF1』バラード
●マンホールのふたに塗られたチョコレートについてきみには何が言えるか?
『無常の月』ニーヴン
●《ジオコンダの犠牲者》によるサン・ラザール駅のロビンソン・クルーソー
『アポリネール傑作短篇集』アポリネール
●アカシア種子文書の著者をめぐる考察ほか、『動物言語学会誌』からの抜粋
『20世紀SFC』ル=グィン
●ペンネンノルデはいまは居ないよ、太陽にできた黒い棘をとりに往ったよ
『セロ弾きのゴーシュ』宮沢賢治
●ピットインでヤマシタ・トリオをディグしていると妙な話が浮かんできた
「NWSF6号」河野典生
●4月のある晴れた日に100パーセントの女の子に出会うことについて
『カンガルー日和』村上春樹
●かれはいかにして予言の告げたごとく有り得べからざる都市に至ったか
『妖精族のむすめ』ダンセイニ
●子供っぽい大人あるいは大人っぽい子供のための新発見まざあ・ぐうす
『町の案内図、声そして彼らの旅』河野典生
●レモン緑と、スパゲッティー音声と、ダイナマイト・ドリブルの一日
『ウィリアム・テン短篇集2』テン
●宝石屋サンゴブリンゴの平穏ならざる物語とかれにくだされた運命
『妖精族のむすめ』ダンセイニ
●なにゆえミクロミウとギガツィアンは星雲を四散させるに至ったか
「奇想天外79.5」レム
●北緯38度54分、西経77度0分13秒ランゲルハウス島沖を漂流中
『世界SF大賞傑作選8』エリスン
●子供の情景―シューマンのピアノ小曲集標題による13の幻想
「SFM72.2」河野典生
●アンクル・コングのインクレジブル・ギャラクシィ・サーカス
「SFA84.6」梶尾真治
●どうして、わたしはロナルド・リーガンをファックしたいのか
『残虐行為展覧会』バラード
●そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした
『愛はさだめ、さだめは死』ティプトリー・Jr
●秘密指令“月光を消せ!”マリー・アントワネット救出作戦
『秘密指令“月光を消せ!”』光瀬龍
●われわれのうち何人かはわれらが友コルビーを脅かしてきた
『アマチュアたち』バーセルミ
●“ダープのカダン”星に不時着した宇宙飛行士の最初の報告
『コンパス・ローズ』ル=グゥイン
●老エイハブの友、そしてノアの友なるもの、その物語を唱う
「SFM70.12」ブラッドベリ
●悪の槌またはパスカル・ビジネス・スクールでの出世の機会
『スラデック言語遊戯短編集』スラデック
●おそらく世界で一番長いショート・ショート「招き猫の村」
「ショート・ショート・ランド81年夏号」糸井重里
●“悔い改めよ、ハーレクィン!”とチクタクマンはいった
『世界SF大賞傑作選8』『忘却の惑星』エリスン
●ハーバード・ジョージ・モーリー・ロバーツ・ウェルズ殿
『太陽からの風』クラーク
●ピース・ホープ・ハイライト・セブンスター・いこいなど
『鳥はいまどこをとぶか』山野浩一
●無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語
『エレンディラ』G=マルケス
●感応精神病と関連のある極度の電解失調の特異なる一症例
『年刊SF傑作選6』R・D・チャージ
●チッペンデールの寝台もしくはロココふうな友情について
『幻想博物館』中井英夫
●アベンハカーン・エル・ボバリー、おのれの迷宮にて死す
『不死の人』ボルヘス
●消化管を下ってマントラ・タントラ斑入り爆弾の宇宙へ
『残酷な方程式』シェクリィ
●チビのフランス人は、なぜ手に古繃帯をしているのか?
『ポオ小説全集2』ポオ
●ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語
『ポオ小説全集2』ポオ
●歌っている歌を聞いて、その人をあてることはできない
『乳房になった男』P・ロス
●「…そしてこの歌をうたうとおれの胸ははり裂ける…」
「SFM88.4」ルーシャス
●きみはヴィンセント・ヴァン・ゴッホのように勇敢だ
『アマチュアたち』バーセルミ
●「グランド・セントラル・ターミナル」に関する報告
『イルカ放送』L・ジラード
●ドクター・ゾンビーと小さな毛むくじゃらの友人たち
『残酷な方程式』シェクリィ
●ゲームは美と真実と眠りの敵よ、とアマンダは言った
『罪深き愉しみ』バーセルミ
●なぜならばぼくはきみを愛することだけが喜びなのだ
『帰れ、カリガリ博士』バーセルミ
●わたくしオッチン化粧品のセールスマンでございます
『悪夢展覧会』夢枕獏
●ぼくがハリーズ・バーガーショップをやめたいきさつ
「SFM89.1」R・W・エヴァンズ
●ミスター・ジョーンズ、きみは存在しているのか?
『すばらしきレムの世界1』レム
●はたしてビールびんの中に箒星がはいっていたか?
『一千一秒物語』稲垣足穂
●われら異形の軍団は、地を這う線にまたがって進む
『プリズマティカ』ディレーニィ
●エレクトロドラゴンと戦ったコンピューターのお伽
『遙かな世界果しなき海』レム
●なぜトルルの完璧さが不幸な結果をもたらしたのか
『マインズ・アイ』レム
●ニルス・ホルゲルソンの不思議なスウェーデン旅行
『ノーベル賞文学全集18』S・ラーゲルレーヴ
●ヴェニスの或る暖爐取付け工の身の毛もよだつ体験
『現代ドイツ幻想短篇集』A・アンデルシュ
●そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた
『スターシップ』ティプトリー・Jr
●トレーン、ウクバール、オルビス、テルティウス
『伝奇集』ボルヘス
●『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール
『伝奇集』ボルヘス
●「そよそよ族の反乱」についてのうわさについて
『ブラック・ユーモア選集5』別役実
●これは肉から成り、これは血から成るがゆえに…
『現代フランス幽霊譚』S・ブリュソロ
●トラクトカツィーネ、フランドルの庭から来た男
『アウラ』C・フェンテス
●回転するシリンダーと宇宙の因果律破壊の可能性
『ミニミニSF傑作選』ニーヴン
●座頭市羽田に着き鞭靼人と悪企み行動に移すこと
「NWSF3号」平岡正明

2002.1.1 ◇to page top


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